キューブハウス美術学院
Cube House Academy of Fine-Arts


F15号張りキャンバス    
 
  1. 「油彩用具」をモチーフとした描き始めの状態。油彩画の場合は、描き始めの段階で構図(コンポジション)を十分に検討し、鉛筆HB~2Bで形を描きます。その段階で静物と言えどもパースペクティブをできるだけ正確に、大きさも額縁で隠れる四隅を考慮しながら比例などの当たりを付け、1~2本の線で輪郭を描きます。慣れてくれば鉛筆を使わず、細筆で輪郭を描く事もできます。
  2. 描き始めの時に使用する油は、石油から精製したぺトロール、松油のターペンタイン、混合油のペインティングオイルも使用できます。上の油彩画はペインティングナイフとペインティングオイルで描きました。溶き油を使用しないでブラッシングやペインティングナイフで描く事もできます。溶き油を使用すると、下地が乾いても最下層に何年も乾かない薄い層が残り、収縮率の違いから亀裂が発生しやすくなる場合がありますので、固着性を強める方法を考えると、溶き油は余り使用しない方が良いと思います。ただ絵の具の練り状態が固い場合、溶き油を混ぜた方が塗りやすくなります。



  1. 誰もが陥りやすい空間の不適切性、あるいはモチーフの関係のぎこちなさは、微妙な調子が見えない初期の段階では解りづらいです。この絵の仕上げ前の状態で良くない個所は、白が飛んでいるという事で、白の強さは前列から奥に行くにしたがって弱めるべきです。この絵では絵の具のチューブラベル、オイルビンラベルの白さが明る過ぎです。特にチタニウムホワイトはジンクホワイトより微妙な白の調整が効かず、飛びやすいので、この絵の場合はジンクホワイトとポッピーオイルを使用すべきなようです。
  2. 美術系大学の受験用入試レベルとしては、この状態で72点。私立系美術大学にはデッサンと学科も良ければ入れるレベルですが、芸大は落ちる可能性が高い状態です。特に空間やモチーフが固く感じられる絵は、絵の巧い人には好まれず、自然な空間の秩序と魅力の出し方の点で良くないという先生方が多くいます。70点以上が私立系美大、80点以上が東京芸大とした場合の目安としての点数です。モチーフの形が固く見える時、ナイフで削ったり太い筆でぼたぼた描き空間とモチーフを軟らかくしてより正確な前列からの空間的秩序を描きなおさなければなりません。しかし、試験本番の時は、書き直す事がで来ませんので、描き込みの段階でそのような調整が重要になります。
  3. この絵で重要なのは、物と物の空間的位置だけではなく円筒形上部と底の楕円形で、その楕円形の精度で技量と注意力が解ります。この絵の楕円形の場合は、両側が膨らみ過ぎているようで、全部がそうなので癖になっています。楕円テンプレートで楕円形を何度も習作し、正確な楕円形を描けるように、目でその形を覚える事が必要です。
  4. この絵の場合は、完成作より描き始めの初期段階の方が、新鮮で好ましい状態でした。描き込むにつれて空間が固くなり、あるいは癖に陥り、状態が悪くなりました。そういう事がしばしばあるため、その時にどうしたらさらに良くなるかが見えていなければなりません。




                
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